先日、こんな記事を読みました。

記事によると、2015年に大企業の中間管理職40人を対象に行われた簡易調査では、65%が「忙しいときほど、部下や同僚に任せず、自分で仕事を片づけてしまう」と回答したそうです。
仕事を抱え込む上司。
経験を積めない部下。
そして、いつまでも忙しいままの職場。
これは、なかなか厄介な問題です。
そこで今回は、この内容について僕なりの考えを書いていきたいと思います。
部下が育たないのは、上司だけの責任なのか?
忙しいときに部下へ仕事を任せず、自分で片づけてしまう。
気持ちはわからなくもありません。
自分でやれば早いし、失敗するリスクも減らせます。
部下に説明する時間も必要ありません。
目の前の仕事を終わらせることだけを考えれば、自分でやったほうが合理的に見えるでしょう。
ただ、それを続けていたらどうなるでしょうか?
部下は仕事を経験できず、なかなか成長しません。
上司は「まだ任せられない」と考え、さらに自分で仕事を抱え込みます。
その結果、ますます部下を育てる時間がなくなる。
これでは、いつまでたっても状況は変わりません。
上司が仕事を抱え込むことで、短期的には成果が出るかもしれません。
しかし、長期的には自分の首を絞めている可能性があります。
とはいえ、上司だけを責めても仕方がない
ただ、ここで考えたいのは「なぜ上司が仕事を任せられないのか」というところ。
もちろん、部下を信用せず、何でも自分でやろうとする上司にも問題はあるでしょう。
一方で、失敗したときにやり直す時間がない職場や管理職自身が大量の業務を抱えている職場では、仕事を任せること自体が難しくなります。
ちなみに厚生労働省の「令和7年度能力開発基本調査」でも、人材育成に何らかの問題があると回答した事業所は80.1%にものぼっていたりします。
この数字だけで上司が仕事を抱え込むことが原因だとはいえません。
それでも、人材育成をめぐる課題が一部の上司だけの問題ではないことは、考えておく必要があると思うんですよね。
会社が管理職に部下の育成を求めるのであれば、それに使える時間や人員も確保するべき。
通常業務は減らさない。
失敗も許さない。
でも部下は育ててほしい。
そんな都合のいい話では、管理職だって疲弊してしまうのは明らかなんですよね。
部下も、上司が育ててくれるのを待つだけではいけない
一方で、部下の側にも考えてほしいことがあります。
上司が忙しそうだから質問しない。
仕事を任せてもらえないから挑戦しない。
こうやって受け身になっているだけでは、成長の機会を逃してしまいます。
もちろん、質問や提案をしやすい環境をつくるのは上司の役割です。
ただ、環境が整うのを待つだけでなく自分から学ぶ姿勢も時には必要なんじゃないかなって僕は思います。
わからないことを調べてから質問する。
小さな仕事でも改善案を考える。
任された仕事の結果を振り返る。
こうした行動なら、必ずしも大きな権限がなくても始められる。
結局のところ、人を育てようとするときって上司だけが変われば解決するわけでも、部下だけが頑張れば解決するわけでもないってことなんですよね。
双方ともが頑張る必要があるってことが大事だと思います。
人を育てるには、個人の努力だけでは限界がある
部下が育たないとき、つい誰か一人に原因を求めたくなります。
しかし、上司が仕事を抱え込む背景には、失敗を許容できない職場環境や、管理職に業務が集中する仕組みがあるかもしれません。
そこを変えずに「もっと部下を育てろ」と言っても、根本的な解決にはならないでしょう。
上司は仕事を任せる工夫をする。
部下は自分から学び、挑戦する。
そして会社は、失敗から学べる余裕と、育成に取り組める環境を整える。
この3つがそろって、初めて人が育つ職場に近づく気がします。
部下が育たないと悩んでいる上司も、成長の機会がないと感じている部下も、一度、自分の職場の仕組みを見直してみる価値はあると思います。
人を育てる責任を誰か一人に押しつけても、職場全体が変わらなければ、同じ問題は繰り返されるのです。
参考にしたニュース
- 媒体名:ダイヤモンド・オンライン
- 記事タイトル:管理職の65%がやっていた…「部下が育たない上司」が無意識にしているNG行動
- 公開日:2026年10月22日
- URL:https://diamond.jp/articles/-/401052
参考資料
- 組織名:厚生労働省
- 資料名:令和7年度「能力開発基本調査」の結果
- URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00233.html


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